ヒトはなぜほほえむのか

進化と発達にさぐる微笑の起源

ヒトはなぜほほえむのか
著者 川上 清文
高井 清子
川上 文人
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 教養・読みもの
出版年月日 2012/04/17
ISBN 9784788512863
判型・ページ数 4-6・180ページ
定価 本体1,600円+税
在庫 在庫あり

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お腹の中で胎児はほほえみ,生後間もない赤ちゃんも眠りながら声をだして笑っている。この自発的微笑,自発的笑いの研究から何がわかってきたのか? ヒト以外で笑い,ほほえむ動物は? ダーウィンにさかのぼる微笑研究の歴史とその最前線まで。
ヒトはなぜほほえむのか─目次

序文 情動発達の研究について(マイケル・ルイス)

第1部 微笑の進化

1 育児書に記述された微笑
2 微笑の定義
3 微笑と笑いの進化
3─1 ダーウィンによる考察
ダーウィンからエクマン、イザードへ
3─2 「顔の動きの記述法」FACS
エクマンとデュシャンヌ微笑
3─3 MAX──基本的情動を表情から特定する方法
3─4 動物の微笑──犬やアシカはほほえんでいる?
3─5 微笑と笑いはどのように進化してきたか
系統発生図
チンパンジーの2つの表情
ファン=ホーフの仮説
2つの表情説・支持者
「笑ってほほえむ」ヒトとチンパンジー
3─6 展望論文
デュシャンヌ笑いと非デュシャンヌ笑い
笑う動物はどこまでか?
言語より先に進化した「笑いと微笑」
ファン=ホーフ説の課題
3─7 笑いと脳
伝染する笑い
微笑と脳の関係
3─8 笑うネズミ
3─9 ニホンザルの微笑
3─10 チンパンジーの自発的微笑
3─11 チンパンジーの社会的微笑
3─12 フェイス・トゥ・フェイス
「対面のコミュニケーションはヒトだけ」説への反証
3─13 微笑と笑いの進化
「しがみつき─抱きしめる」から「見つめ合い─ほほえむ」へ

第2部 微笑の発達

ヒトの微笑と笑い
1 スピッツについて
2 スピッツの観察的実験
スピッツの仮説
3 新生児の観察
ウォルフによるデータ
観察されていた「生後6か月の自発的微笑」
4 『乳児行動の決定要因』より
4─1 アンブローズの研究
4─2 ゲヴィルツの観察
4─3 遺伝論者・フリードマン
4─4 1960年代の微笑研究
5 笑いの発達
スルーフらの「いないいないばあ」研究
6 日本の研究
パイオニア丹羽による観察・実験
島田の描いた「微笑の発達」
高橋の「エネルギー放出」説
7 低出生体重児の自発的微笑
8 初期の展望論文
スルーフの考えた微笑の原因
シェマと微笑
9 顔の図式とルイス
10 現代の微笑研究
10─1 メッシンジャーらの研究1
10─2 メッシンジャーらの研究2
10─3 メッシンジャーらの研究3
10─4 ドンディらの研究
11 現代の微笑発達の展望
11─1 メッシンジャーらの展望
今後の研究課題
三者関係
11─2 ドンディらの展望論文
12 胎児期の微笑
胎児期の脳はどのように発達するか
4次元超音波断層法が明らかにしたこと

第3部 私たちの研究

1 自発的微笑の研究
1─1 胎児期の微笑
1─2 低出生体重児の微笑
お腹の中でもほほえむ赤ちゃん
1─3 新生児・乳児の微笑
初めて記録された「自発的笑い」
1─4 ケース・スタディーズ
Aちゃんの記録
Bちゃんの記録
Cちゃんの記録
データが反証した「誤った知見」
1─5 消えない自発的微笑
2 片頬の微笑
3 私たちが見つけたこと──なぜ自発的微笑はあるのか?

第4部 まとめ──微笑とコミュニケーション

1 目がコミュニケーションに果たす役割
2 ヒトのコミュニケーションの特徴
2─1 バロン=コーエンの考え
3 クレーン行動ではなくハンド・テイキング行動へ
4 視線ではなく関係
5 基本的信頼
6 「社会的」と「対人的」
7 微笑と笑いの発達──胎児期から生後1年まで
8 微笑とふれあい(結語)

謝辞
あとがき
文献・注
事項索引
人名索引
装幀臼井新太郎
本文イラスト小嶋陽子

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