音を創る,音を聴く
音楽の協同的生成

著者 | 佐藤 公治 著 |
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ジャンル | 心理学・認知科学・臨床 > 教養・読みもの |
出版年月日 | 2012/07/25 |
ISBN | 9784788512955 |
判型・ページ数 | 4-6・316ページ |
定価 | 本体3,200円+税 |
在庫 | 在庫あり |
言葉にできないものをいかに伝えるか。西田幾多郎,ヴィゴツキーらの思想をたどりつつ,行為論の視点から,オルフェウス室内管弦楽団と学生オーケストラの音楽を生成する実践のすがたを描く。心理学の新しい方向を指し示す刺激に満ちた一冊。
音を創る、音を聴く――目次
はじめに
序 章 協同による活動
第1章 行為と表現行為─人間精神をみる視点
1 行為としての人間精神
(1)行動と行為
(2)心理学における理性主義がもたらしたもの
(3)行為を支え、「媒介」として働いている身体
2 ヴィゴツキーの「対象行為論」とバフチンの「行為の哲学」
(1)ヴィゴツキーの行為論
(2)バフチンの「行為の哲学」
3 ヴィゴツキーの「芸術心理学」
第2章 行為から表現行為へ─表現は自己の内部と外部を創る
1 西田幾多郎の表現行為論─「行為的直観」
(1)西田幾多郎の基本的立場
(2)意識から行為へ
2 行為と身体・道具の関わり─木村素衛の表現行為論
(1)木村素衛の基礎にあるフィヒテの「事行」
(2)木村素衛の表現行為論
3 木村敏の「あいだ」論と音楽表現
(1)木村敏による音楽表現の世界
(2)アクチュアリティとしての音楽表現
第3章 音楽合奏の構造
1 音楽合奏という協同活動
2 音楽合奏はどのように成立するか
(1)室内交響楽の場合
(2)ジャズ演奏の場合
(3)フル・オーケストラの場合
3 アマチュア・オーケストラの音楽づくり
(1)学生オーケストラの音楽づくりの特徴
(2)アマチュアと文化的創造
4 弦楽器部門の合同練習とプロの音楽家の指導
(1)演奏表現の工夫
(2)他パートの音を聴け、しかしそれにもたれるな
(3)主旋律と対旋律の役割交替を意識せよ
(4)パフォーマンスとしての音楽─そこに関わっているもの
第4章 音楽合奏─聴くことと音楽表現
1 プロの音楽家の指導によるパート練習とそこで起きていること
(1)タイミングとカウントを取ること
(2)休符で休んではいけない
(3)他パートの旋律を意識しながら演奏せよ
2 音楽合奏におけるリズムと間
(1)音楽合奏におけるリズム
(2)リズムと「間」
(3)リズムと「間」を支える呼吸
3 演奏と身体性
(1)聴くこと
(2)音楽を生み出す身体と身体的表現行為
第5章 協同による音楽づくり
1 「トップ分奏」─合奏のための「青写真」作り
(1)リズムとテンポの調整
(2)演奏の繰り返しによる音の形成と調整
(3)音楽表現と表現の相互調整のための言葉
(4)音楽とメタファー
(5)ブローカーとしての「トップ分奏」
2 オルフェウス室内管弦楽団とコア・リハーサル
(1)指揮者のいない管弦楽団
(2)オルフェウス・システム
(3)「コア・リハーサル」とその機能
3 「コア・リハーサル」と学生オーケストラの「トップ分奏」
第6章 音楽合奏における創発性と慣習
1 創造性─即興と慣習のはざまで起きていること
(1)創造性を生みだすことの間にある二つの極
(2)即興のエチケット
(3)合奏のエチケット
2 創造的協同性
(1)ジョン=スタイナーの「創造的協同性」
(2)ホルツマン─創造的活動の場としての「発達の最近接領域」
3 創造性の社会的過程
(1)創造性の「システムモデル」
(2)ソーヤーの「協同的創発性」
4 創発性と慣習
(1)創造性を支える慣習と伝統
(2)個別性と普遍性
(3)個と集団の二重の主体性
終 章 「中間世界」の中の人間の活動
1 共同体が創造的活動を産み出していくために何が必要だったのか
2 中間世界・中動態としての表現行為
(1)ポドテキスト(内面的意味)
(2)交差配列(キアスム)
(3)中間世界論
おわりに
文 献
事項索引
人名索引
装幀=難波園子
はじめに
序 章 協同による活動
第1章 行為と表現行為─人間精神をみる視点
1 行為としての人間精神
(1)行動と行為
(2)心理学における理性主義がもたらしたもの
(3)行為を支え、「媒介」として働いている身体
2 ヴィゴツキーの「対象行為論」とバフチンの「行為の哲学」
(1)ヴィゴツキーの行為論
(2)バフチンの「行為の哲学」
3 ヴィゴツキーの「芸術心理学」
第2章 行為から表現行為へ─表現は自己の内部と外部を創る
1 西田幾多郎の表現行為論─「行為的直観」
(1)西田幾多郎の基本的立場
(2)意識から行為へ
2 行為と身体・道具の関わり─木村素衛の表現行為論
(1)木村素衛の基礎にあるフィヒテの「事行」
(2)木村素衛の表現行為論
3 木村敏の「あいだ」論と音楽表現
(1)木村敏による音楽表現の世界
(2)アクチュアリティとしての音楽表現
第3章 音楽合奏の構造
1 音楽合奏という協同活動
2 音楽合奏はどのように成立するか
(1)室内交響楽の場合
(2)ジャズ演奏の場合
(3)フル・オーケストラの場合
3 アマチュア・オーケストラの音楽づくり
(1)学生オーケストラの音楽づくりの特徴
(2)アマチュアと文化的創造
4 弦楽器部門の合同練習とプロの音楽家の指導
(1)演奏表現の工夫
(2)他パートの音を聴け、しかしそれにもたれるな
(3)主旋律と対旋律の役割交替を意識せよ
(4)パフォーマンスとしての音楽─そこに関わっているもの
第4章 音楽合奏─聴くことと音楽表現
1 プロの音楽家の指導によるパート練習とそこで起きていること
(1)タイミングとカウントを取ること
(2)休符で休んではいけない
(3)他パートの旋律を意識しながら演奏せよ
2 音楽合奏におけるリズムと間
(1)音楽合奏におけるリズム
(2)リズムと「間」
(3)リズムと「間」を支える呼吸
3 演奏と身体性
(1)聴くこと
(2)音楽を生み出す身体と身体的表現行為
第5章 協同による音楽づくり
1 「トップ分奏」─合奏のための「青写真」作り
(1)リズムとテンポの調整
(2)演奏の繰り返しによる音の形成と調整
(3)音楽表現と表現の相互調整のための言葉
(4)音楽とメタファー
(5)ブローカーとしての「トップ分奏」
2 オルフェウス室内管弦楽団とコア・リハーサル
(1)指揮者のいない管弦楽団
(2)オルフェウス・システム
(3)「コア・リハーサル」とその機能
3 「コア・リハーサル」と学生オーケストラの「トップ分奏」
第6章 音楽合奏における創発性と慣習
1 創造性─即興と慣習のはざまで起きていること
(1)創造性を生みだすことの間にある二つの極
(2)即興のエチケット
(3)合奏のエチケット
2 創造的協同性
(1)ジョン=スタイナーの「創造的協同性」
(2)ホルツマン─創造的活動の場としての「発達の最近接領域」
3 創造性の社会的過程
(1)創造性の「システムモデル」
(2)ソーヤーの「協同的創発性」
4 創発性と慣習
(1)創造性を支える慣習と伝統
(2)個別性と普遍性
(3)個と集団の二重の主体性
終 章 「中間世界」の中の人間の活動
1 共同体が創造的活動を産み出していくために何が必要だったのか
2 中間世界・中動態としての表現行為
(1)ポドテキスト(内面的意味)
(2)交差配列(キアスム)
(3)中間世界論
おわりに
文 献
事項索引
人名索引
装幀=難波園子