ロボットの悲しみ

コミュニケーションをめぐる人とロボットの生態学

ロボットの悲しみ
著者 岡田 美智男 編著
松本 光太郎 編著
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 教養・読みもの
出版年月日 2014/08/20
ISBN 9784788514041
判型・ページ数 4-6・224ページ
定価 本体1,900円+税
在庫 在庫あり

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人助けのために生まれながら,本当に人の代わりにはなれないロボット。介護の現場など,日常生活の中に繰り出し始めたロボットと人はどうコミュニケーションしあえるのか? ロボット開発者の常識破りの発想と心理学者の鋭い観察から生まれた一冊。
ロボットの悲しみ――目次

プロローグ

1章 「ともに」あるロボットを求めて  岡田美智男
1 ロボットの多面性─モノから「もう一人の他者」へ
 (1)素朴な道具から高度なキカイへ
 (2)ロボットと人との関わりのなかで
 (3)ロボットで代替えできるの?
2 人とロボットとの関わりにおける生態学的転回
 (1)周囲を味方につけながら
 (2)その街が私たちを歩かせている
 (3)他者となるとは?
3 「弱いロボット」の目指すもの
 (1)弱いロボット「む~」の誕生
 (2)表情やことばの「弱さ」から生まれるもの
 (3)ちょっと手のかかる「ゴミ箱ロボット」
4 関係論的なロボットとその展開
 (1)相手の目線を気にしながら言い淀む「トーキング・アリー」
 (2)離合集散を繰り返すパネル型ロボット「INAMO」
 (3)フラフラと動きまわるだけの「ペラット」
 (4)一緒に手をつないで歩く「マコのて」
 (5)シンボルの意味の獲得・共有にむけて
5 おわりに

2章 ロボットの居場所探し  松本光太郎・塚田彌生
1 高齢者の暮らしとロボット
2 研究概要の紹介
 (1)ロボットの紹介
 (2)研究実施の紹介
 (3)研究協力者の紹介
3 二人の共通点
 (1)ことばの音が声に聞こえる
 (2)時間の経験を得る
 (3)模造品に気持ちが揺さぶられる
4 二人の相違点
 (1)既知のものとして自分に引き寄せたYさん
 (2)未知のものとして身を委ねたKさん
5 ロボットの位置づけ

3章 生き物との交流とロボットの未来  麻生 武
1 コンパニオン型ロボットと私たちの未来
 (1)ロボットとの交流、生き物との交流
 (2)ある恐るべき未来社会
2 「生き物」という存在への共感
 (1)ゴキブリへの憎しみと愛の可能性
 (2)アリやカタツムリへの共感
3 「生き物」との交流様式
 (1)家の中で飼われている犬や猫とのファーストコンタクト
 (2)家族の一員としての犬や猫
 (3)主人に同調し猫を叱る犬
4 「心とことば」をもつこと
 (1)犬の「心のなか」を思う
 (2)生き物の「ことば」と「心」
5 おわりに

4章 ロボットとのやりとりに意味が生まれるとき  小嶋秀樹
1 「らしさ」のつくり込み
2 「あいだ」や「まわり」に立ち現れる意味
3 意味の「かたさ」「しなやかさ」
 (1)不確かで柔軟なコミュニケーションの成り立ち
 (2)自閉症児のもつ「かたさ」
4 自他の重ね合わせと自閉症
 (1)アイコンタクトと共同注意
 (2)ヒト・モノ・ロボットと自閉症
5 ロボットを使った自閉症療育支援
 (1)コミュニケーションケアロボット「キーポン」
 (2)キーポン、療育教室へ
6 ロボットとのやりとりに意味が生まれるとき
 (1)エピソード1─向き合いに意味が生まれるとき
 (2)エピソード2─意味が「まわり」に生まれるとき
 (3)意味のグラウンディング
7 ロボットのもつ限界と可能性

5章 ロボットは人間「のようなもの」を超えられるか  浜田寿美男
1 人類はおしゃべりである
2 人がロボットと出会うということ
   ─相手のなかに「主体のようなもの」を見る
 (1)他者の志向性
 (2)モノに「志向性のようなもの」を感じるとき
 (3)動くモノとのあいだに
   「相互志向性のようなもの」を感じるとき
 (4)おしゃべりするロボットに
   「相互主体性のようなもの」を感じるとき
 (5)逆行的に構成された「のようなもの」
 (6)「のようなもの」を超える契機
3 出会うのは偶然、出会ってしまえば必然
   ─人どうしの対称性と時間の非対称性
 (1)時間の非可逆性
 (2)時間の非対称性
 (3)おばあちゃんはロボットと出会ったのか
4 最後に、過去の語りを共有するということ

座談 「ロボットをめぐる問い」をあらためて問う
本書の出発点
ロボットと人の関係
支えて支えられる関係
二項関係と三項関係
言  葉
時間と歴史
痛々しさ
子どもと高齢者の違い
キーポン
遠隔操作
プリモ
「のようなもの」と「らしさ」
こんなことが叶ったら
本書のタイトル

エピローグ「ロボットの独白」
文 献

  装幀=荒川伸生

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