テクスト世界の解釈学

ポール・リクールを読む

テクスト世界の解釈学
著者 久米 博
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2012/12/20
ISBN 9784788513228
判型・ページ数 A5・364ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり

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テクストを読むことは自己を読むこと-。意識ではなくテクスト世界,直観ではなく解釈を重視するリクールの独自のテクスト解釈理論の構築過程をたどりつつ,彼の解釈学的現象学の全体像を提示する。著者のリクール研究の到達点を示す力作。
テクスト世界の解釈学─目次

序 言
第一部 主題と方法の探求――純粋記述から解釈へ
第一章 意志の現象学
第一節 ガブリエル・マルセルとエドムント・フッサールとの出会い
第二節 マルセル哲学に学んで
第三節 フッサール現象学に学んで
第四節 ヤスパースの実存哲学の影響
第五節 『意志的なものと非意志的なもの』

第二章 象徴の解釈学
第一節 『人間 この過ちやすきもの』
第二節 『悪の象徴論』

第三章 フロイトの哲学的解釈
第一節 非意志的なものから無意識へ
第二節 『フロイトを読む』──フロイトの読解
第三節 『フロイトを読む』──フロイトの哲学的解釈

第四章 言語論的転回
第一節 象徴からことばへ
第二節 構造主義との対決
第三節 構造言語学との対決

第五章 解釈学的現象学の構築
第一節 解釈学の現象学への接木
第二節 ガダマーの哲学的解釈学
第三節 解釈学的現象学

第二部 テクスト世界の解釈学
第一章 テクスト解釈理論
第一節 疎隔の解釈学的機能
第二節 バンヴェニストのディスクールの言語学
第三節 テクストとは何か
第四節 テクスト理論の行動理論と歴史学理論への発展
第五節 テクスト世界と自己理解

第二章 『生きた隠喩』──言語の創造性の探求
第一節 アリストテレスの隠喩論
第二節 隠喩と言語の存在論
第三節 語の意味論対ディスクールの意味論
第四節 類似の作業と言語的想像力
第五節 フィクションと指示作用

第三章 『生きた隠喩』──隠喩と哲学的言説
第一節 詩的隠喩と哲学的隠喩
第二節 隠喩の脱構築と隠喩の創造性

第四章 『時間と物語』──物語と時間性の循環
第一節 リクールとアメリカ
第二節 『時間と物語』の構想
第三節 時間性と物語性との結びつき
第四節 三つのミメーシスとその循環

第五章 歴史と物語
第一節 物語的理解とは何か
第二節 アナール派の革新と歴史の法則的説明
第三節 「物語派」の議論

第六章 歴史の志向性
第一節 歴史的認識の志向性への遡行的問い
第二節 説明の手続きとしての「個別的因果帰属」
第三節 歴史叙述における第一級の本質体
第四節 歴史の時間と出来事の運命
第五節 歴史的世界とテクスト世界

第七章 物語性の変容と物語記号論
第一節 筋のパラダイムの変容と革新
第二節 さまざまな物語記号論
第三節 グレマスの物語記号論との〈愛の闘争〉

第八章 フィクション物語における時間表現の諸相
第一節 物語られる時間
第二節 動詞時制と言表行為
第三節 「物語る時間」と「物語られる時間」
第四節 視点と物語る声

第九章 テクスト世界に投影される虚構の時間経験
第一節 虚構の時間経験
第二節 ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』
第三節 トーマス・マン『魔の山』
第四節 マルセル・プルースト『失われた時を求めて』

第三部 テクスト世界と読者の世界
第一章 時間性のアポリア論
第一節 アウグスティヌスの魂の時間 対 アリストテレスの世界の時間
第二節 フッサールの直観的時間
第三節 カントの不可視の時間
第四節 ハイデガーと〈通俗的〉時間
第二章 歴史的時間と痕跡
第一節 暦法的時間
第二節 世代連続──同時代者、先行者、後続者
第三節 記録文書、史料、痕跡

第三章 フィクションにおける時間の想像変様
第一節 歴史的時間の中立化
第二節 虚構の時間の想像変様
第三節 現象学的時間の歴史的時間の拘束からの解放

第四章 歴史的過去の実在性と代理表出
第一節 歴史的過去の実在性と代理表出
第二節 〈同〉のしるしのもとで
第三節 〈他〉のしるしのもとで
第四節 〈類似〉のしるしのもとで

第五章 テクスト世界と読者の世界の交叉
第一節 テクスト世界の再形象化
第二節 詩学から修辞学へ
第三節 読解の現象学と美学
第四節 再形象化の操作の弁証法的緊張
第五節 歴史のフィクション化
第六節 フィクションの歴史化

第六章 物語的自己同一性
第一節 物語的自己同一性
第二節 同一性と自己性の弁証法としての物語的自己同一性

第四部 テクスト世界の表象と再認

第一章 記憶力と想像力
第一節 記憶と想起
第二節 記憶力の現象学──ベルクソン、フッサール、ケイシー
第三節 回想のイマージュ化

第二章 歴史家の表象
第一節 対象としての表象と操作としての表象の弁証法
第二節 物語的表象
第三節 物語的レトリックと表象の限界
第四節 歴史家の表象に内在するイマージュ
第五節 代理表出

第三章 再認としてのテクスト世界
第一節 記憶の条件としての忘却
第二節 保留された忘却
第三節 テクスト世界における自己の再認

あとがき
ポール・リクール略年譜
参考文献
索引
    装幀──虎尾 隆

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