損傷したシステムはいかに創発・再生するか

オートポイエーシスの第五領域

損傷したシステムはいかに創発・再生するか
著者 河本 英夫
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2014/03/03
ISBN 9784788513709
判型・ページ数 4-6・428ページ
定価 本体4,200円+税
在庫 在庫あり

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損なわれた身体や環境はいかに創発・再生するか? 従来の視覚的・言語的な西欧の知では解けなかった難問に,「行為の知」を掲げるオートポイエーシスの最前線から答える。セラピー,リハビリなどの実践の現場でも必読の知的冒険の書。
損傷したシステムはいかに創発・再生するか――目次

序章 システムの創発と再生へ
気づきと触覚 発達と能力の形成

第一章 認知行為的世界
1 感じ取る自己と世界
感覚の分類 触覚性感覚の仕組み  メルロ=ポンティ  触覚性感覚のマトリクス  触覚性現実  触覚性言語  痛み・痺れ・苦痛
2 認知行為のカテゴリー
相即  注意  遂行的注意  選択的注意  焦点的注意  ランディング・サイト  触覚のランディング・サイト  強度  生態学的知覚
3 認知行為と現象学
現象学 システム現象学

第二章 システムの発達
1 発達論の難題
第一の難題  意識の発達はあるのか  反省から経験は形成されるのか  システムそのものとオートポイエーシス  自己の発達  述語的考察  第二の難題  最近接領域  第三の難題
2 発達のモデル変更
ニューロンの可塑性  縮退(冗長性)  二重選択性  カップリングでの速度差  形成プロセスの仕組み
3 発達のさなかの謎
自己接触行動――境界の形成  相互模倣  ミラー・ニューロン  共同注意  軽度発達障害の当事者研究  軽度能動的自閉症

第三章 記憶システム
1 記憶という課題
記憶の三機能  記憶のマトリクス  記憶という学知
2 記憶という構想
認知科学  ベルクソン  記憶の関与  記憶と日付  記憶の動作障害  記憶の言語障害  再認障害としての人物誤認
3 情動の記憶
基本的ことがら  神経心理学的力動  初期症例  精神分析の可能性  第三の記憶
4 記憶の補遺
動作の感触

第四章 動作システム
1 動作の多様化
模倣する人間  左右分担制御  影の活用  制作  イデアの出現  過剰代替
2 動作の組織化
内的視点と外的視点  内的感覚と外的像の変換不全  動作の形成  動作の原理はどのようなものでありうるか  二重安定性の拡張  動作の空間  奥行き  空間の現われの変容  動作療法
3 意識の行為
調整機能仮説  意識という機能性  意識そのものの関与する変容  意識と神経ネットワーク
4 動作の言語
世界の比喩としての動作  身体動作とイメージ

第五章 能力の形成とオートポイエーシス
1 経験の可動域
感覚の可動域  強度の活用  色彩の運動性  境界の活用  形の変換  ブリコラージュ(手元仕事) 一生「束の間の少年」  迷路
2 人間再生のシステム
システムの自己組織化  システム的病理  防衛的モード  代償機能形成  証拠に基づく治療
3 オートポイエーシスという経験
オートポイエーシスの機構  定義  創発  二重作動  第五領域

終 章 希望――ヘルダーリンの運命

あとがき
索引

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