〈鞆の浦〉の歴史保存とまちづくり
環境と記憶のローカル・ポリティクス

著者 | 森久 聡 著 |
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ジャンル | 環境・震災・都市・地域社会 |
出版年月日 | 2016/07/15 |
ISBN | 9784788514737 |
判型・ページ数 | A5・288ページ |
定価 | 本体3,800円+税 |
在庫 | 在庫あり |
風光明媚な瀬戸内海の港町〈鞆の浦〉。道路建設か歴史遺産の保存か,長年まちを揺るがしてきた鞆港保存問題の全容を初めて解明。鞆の浦の歴史文化,産業と社会構造,政治的伝統を背景に,歴史的環境が守る人々の紐帯,裁判終結後のまちづくりの方向性を示す。
〈鞆の浦〉の歴史保存とまちづくり――目次
第一部 歴史保存とまちづくりへのアプローチ
第1章 歴史保存とまちづくり 何が問われてきたか
―多様な学問分野のアプローチ
1 歴史的環境とは何か
2 「4W1H」の視点
3 「4W1H」の視点からみる多様なアプローチ
4 本書の問題関心の所在
第2章 なぜまちの歴史を保存するのか
―環境社会学・都市社会学・文化社会学のアプローチ
1 「なぜ保存するのか」という問いかけ
2 「4W1H」からみる環境社会学のアプローチ
3 「4W1H」からみる都市社会学・地域社会学のアプローチ
――空間の社会理論と実証研究
4 「4W1H」からみる文化社会学のアプローチ――記憶の保存と表象
5 環境(空間)・記憶・政治の社会学――本書のアプローチ
6 鞆港保存問題の考察に向けて
第3章 地域的伝統を探る―年齢階梯制からみる地域問題
1 地域的伝統へのまなざし
2 分析視角としての年齢階梯制社会
3 地域的伝統の民俗学・社会学研究――「村寄合」にみる話し合い
4 市民的公共圏論――日本社会の自生的な討論空間との接点
5 地域問題における〈政治風土〉
第二部 鞆港保存問題に揺れるローカル・コミュニティ
第4章 栄枯盛衰の物語を持つ港町〈鞆の浦〉
―歴史文化的コンテクスト
1 〈鞆の浦〉の現在
2 潮待ちの港町・鞆の繁栄――中世から近世まで
3 近代化から取り残されたまち――明治から昭和まで
4 年齢階梯制のローカリティ――地域社会の伝統と民俗
5 鞆の浦の伝統と民俗にみる年齢階梯制
第5章 鞆港保存問題をめぐる地域論争
―鞆港の保存か,道路の建設か
1 鞆港保存問題の経緯
2 計画凍結から行政訴訟へ
3 〈道路建設派〉〈鞆港保存派〉の主張と争点
4 鞆港保存問題の現在
第三部 鞆港保存問題の社会学的実証研究
第6章 鞆港の空間・記憶・政治
―鞆港保存問題のローカル・ポリティクス
1 鞆港の空間と記憶
2 鞆港の港湾整備事業の歴史と支配層の変遷
3 地域指導者層による道路建設の推進
――埋め立て・架橋計画を支持する論理
4 「平の浦」からみる利便性――もう一つの漁港のまち
5 若手男性経営者層による保存運動――「鞆を愛する会」
6 地方名望家層による保存運動――「歴史的港湾鞆港を保存する会」
7 女性・主婦層による保存運動――「鞆の浦・海の子」
8 「保存か開発か」をめぐる政治的実践
第7章 なぜ鞆港を守ろうとするのか
―「鞆の浦・海の子」の事例分析
1 なぜ保存するのか――[why][who][what]の問題関心
2 「保存の論理」の分節化――〈保存する根拠〉と〈保存のための戦略〉
3 「鞆の浦・海の子」による保存運動――4つの「保存の論理」
4 「鞆の浦・海の子」の〈保存する根拠〉と〈保存のための戦略〉
5 地域社会の紐帯としての歴史的環境
第8章 「話し合い」のローカリティ
―鞆港保存問題にみる伝統的な〈政治風土〉と地域自治
1 鞆港保存問題における「2つの問い」
2 合議制を持つ漁村社会――年齢階梯制社会における意思決定
3 鞆の浦の地域的特質――話し合いの重要性と年長者の尊重
4 市民的公共圏と合議制――〈伝統的なもの〉のゆくえ
第四部 〈鞆の浦〉の歴史保存とまちづくり
第9章 〈鞆の浦〉の歴史的環境保存―まちの記憶の継承
1 鞆港保存問題の社会学的解明
2 環境と記憶のローカル・ポリティクス
3 空間の保存と記憶の継承
4「変化しないこと」の社会学
終章――〈鞆の浦〉の歴史をたどる旅のおわり
1 歴史的環境保存の意味
2 残された疑問――なぜ埋め立て・架橋計画なのか
3 鞆港保存問題の解決とまちづくりに向けて
補遺 現地調査の実際―〈鞆の浦〉と鞆港保存問題の調査方法
あとがき
参考文献
鞆の浦・鞆港保存問題・まちづくり年表 730-2016
人名索引・事項索引
装幀 鈴木敬子(pagnigh-magnigh)
第一部 歴史保存とまちづくりへのアプローチ
第1章 歴史保存とまちづくり 何が問われてきたか
―多様な学問分野のアプローチ
1 歴史的環境とは何か
2 「4W1H」の視点
3 「4W1H」の視点からみる多様なアプローチ
4 本書の問題関心の所在
第2章 なぜまちの歴史を保存するのか
―環境社会学・都市社会学・文化社会学のアプローチ
1 「なぜ保存するのか」という問いかけ
2 「4W1H」からみる環境社会学のアプローチ
3 「4W1H」からみる都市社会学・地域社会学のアプローチ
――空間の社会理論と実証研究
4 「4W1H」からみる文化社会学のアプローチ――記憶の保存と表象
5 環境(空間)・記憶・政治の社会学――本書のアプローチ
6 鞆港保存問題の考察に向けて
第3章 地域的伝統を探る―年齢階梯制からみる地域問題
1 地域的伝統へのまなざし
2 分析視角としての年齢階梯制社会
3 地域的伝統の民俗学・社会学研究――「村寄合」にみる話し合い
4 市民的公共圏論――日本社会の自生的な討論空間との接点
5 地域問題における〈政治風土〉
第二部 鞆港保存問題に揺れるローカル・コミュニティ
第4章 栄枯盛衰の物語を持つ港町〈鞆の浦〉
―歴史文化的コンテクスト
1 〈鞆の浦〉の現在
2 潮待ちの港町・鞆の繁栄――中世から近世まで
3 近代化から取り残されたまち――明治から昭和まで
4 年齢階梯制のローカリティ――地域社会の伝統と民俗
5 鞆の浦の伝統と民俗にみる年齢階梯制
第5章 鞆港保存問題をめぐる地域論争
―鞆港の保存か,道路の建設か
1 鞆港保存問題の経緯
2 計画凍結から行政訴訟へ
3 〈道路建設派〉〈鞆港保存派〉の主張と争点
4 鞆港保存問題の現在
第三部 鞆港保存問題の社会学的実証研究
第6章 鞆港の空間・記憶・政治
―鞆港保存問題のローカル・ポリティクス
1 鞆港の空間と記憶
2 鞆港の港湾整備事業の歴史と支配層の変遷
3 地域指導者層による道路建設の推進
――埋め立て・架橋計画を支持する論理
4 「平の浦」からみる利便性――もう一つの漁港のまち
5 若手男性経営者層による保存運動――「鞆を愛する会」
6 地方名望家層による保存運動――「歴史的港湾鞆港を保存する会」
7 女性・主婦層による保存運動――「鞆の浦・海の子」
8 「保存か開発か」をめぐる政治的実践
第7章 なぜ鞆港を守ろうとするのか
―「鞆の浦・海の子」の事例分析
1 なぜ保存するのか――[why][who][what]の問題関心
2 「保存の論理」の分節化――〈保存する根拠〉と〈保存のための戦略〉
3 「鞆の浦・海の子」による保存運動――4つの「保存の論理」
4 「鞆の浦・海の子」の〈保存する根拠〉と〈保存のための戦略〉
5 地域社会の紐帯としての歴史的環境
第8章 「話し合い」のローカリティ
―鞆港保存問題にみる伝統的な〈政治風土〉と地域自治
1 鞆港保存問題における「2つの問い」
2 合議制を持つ漁村社会――年齢階梯制社会における意思決定
3 鞆の浦の地域的特質――話し合いの重要性と年長者の尊重
4 市民的公共圏と合議制――〈伝統的なもの〉のゆくえ
第四部 〈鞆の浦〉の歴史保存とまちづくり
第9章 〈鞆の浦〉の歴史的環境保存―まちの記憶の継承
1 鞆港保存問題の社会学的解明
2 環境と記憶のローカル・ポリティクス
3 空間の保存と記憶の継承
4「変化しないこと」の社会学
終章――〈鞆の浦〉の歴史をたどる旅のおわり
1 歴史的環境保存の意味
2 残された疑問――なぜ埋め立て・架橋計画なのか
3 鞆港保存問題の解決とまちづくりに向けて
補遺 現地調査の実際―〈鞆の浦〉と鞆港保存問題の調査方法
あとがき
参考文献
鞆の浦・鞆港保存問題・まちづくり年表 730-2016
人名索引・事項索引
装幀 鈴木敬子(pagnigh-magnigh)