ライフコース選択のゆくえ

日本とドイツの仕事・家族・住まい

ライフコース選択のゆくえ
著者 田中 洋美
M. ゴツィック
K. 岩田ワイケナント
ジャンル 社会学 > 家族・女性・ジェンダー
出版年月日 2013/02/15
ISBN 9784788513242
判型・ページ数 4-6・408ページ
定価 本体4,200円+税
在庫 在庫あり

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生き方は選べるのか? 標準化されたライフコースの変化を俯瞰し,新しい生き方の模索と葛藤をこまやかに読み解き,個人化,ジェンダー,日独比較からライフコースのゆくえを問う。TVドラマ,マンガ,文学等,メディア表象を取り入れた手法も斬新。
ライフコース選択のゆくえ─目次

編者まえがき
? ライフコースへのアプローチ
1「人生の多様化」とライフコース――日本における制度化・標準化・個人化
嶋_ 尚子
  はじめに
1 戦後日本におけるライフコースの制度化
2 公的ライフコースの標準化
3 「人生の多様化」言説の登場と背景
4 個人の生き方の過程とライフコースの個人化
  小括と展望

2 ライフコース・ライフストーリー・社会変動
――ドイツ語圏社会科学におけるバイオグラフィー(人生経歴)・アプローチ
ベッティーナ・ダウジーン
  はじめに
1 バイオグラフィー・ライフコース・ライフストーリー――概念的差異
2 ライフコースの個人化――ライフコース研究の可能性と限界
3 ライフストーリー(ライフ・ナラティブ)と構築される自己
  おわりに

? 仕事をめぐる生き方の変化
3 雇用改革とキャリア
――日本における雇用の多様化と「生き方」をめぐる労働者の葛藤
今井 順
  はじめに
1 キャリアパターンの歴史的・社会的構築――交渉パターンによる類型
2 戦後日本における標準的キャリアパターンの制度化
3 規制緩和と標準的キャリアの相対化
  小括、そして将来への展望

4 雇われない働き方とライフコース――日本における新しい労働世界の予兆
鎌田 彰仁
  はじめに
1 バウンダリーレス・キャリアの時代――雇用の流動化
2 雇われない働き方の労働世界――起業・自営の哲学と行動
3 フリーランスへの転回とライフコース――自由と安定のジレンマ
  おわりに

5 サラリーマンマンガにみる男女のライフコース
――『島耕作』『サラリーマン金太郎』シリーズからの考察
石黒久仁子 ピーター・マタンレ
1 メディアが描く男女のライフコース
2 日本におけるライフコース・労働とジェンダー
3 日本のサラリーマンマンガ
4 『島耕作』と『サラリーマン金太郎』にみる男女の生き方
5 日本の企業社会と男女のライフコースのゆくえ

6 自律的な職業キャリアへの転換――ドイツのメディア産業にみる雇用の柔軟化
ビルギット・アピチュ
1 労働市場の変化とライフコース
2 ドイツにおけるメディア産業
3 メディア産業における雇用の柔軟化と生き方の志向
4 自律的な職業キャリアへの転換?
  おわりに

? 結婚・家族観の持続と変容
7 働く独身女性のライフコース選択――「普通の逸脱」の日本的文脈
田中 洋美
1 戦後日本型ライフコースのジェンダー化とその変化
2 都市で働く独身女性調査――調査概要
3 働く独身女性は「普通の逸脱」か――東京の独身女性の場合
4 プラグマティックなライフコース選択と社会変化の可能性

8 テレビドラマにみるライフコースの脱標準化と未婚化の表象
――『アラウンド40』と『婚カツ!』を例に
クリスティーナ・岩田ワイケナント
  はじめに
1 メディア分析の重要性と理論的アプローチ
2 過去二十年のテレビドラマにおける「結婚」の表象の変遷
3 『アラウンド40』にみる幸せの個人化
4 『婚カツ!』にみる明るい未来の前提としての結婚
  おわりに

9 妻のいない場所――村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』における〈僕〉の時空間
日高 佳紀
  はじめに
1 閉じないことによって閉じる物語
2 ライフコースからの逸脱と見いだされた〈家庭〉
3 〈路地〉から〈井戸〉へ
4 〈僕〉のさがしもの
5 物語への抵抗

10 リスクとしての子ども?――日本のサラリーマンにみる子育ての意味の揺らぎ
多賀 太
1 男性の仕事と子育ての葛藤
2 研究動向と調査方法
3 サラリーマン男性の生活事例
4 子どもを持つリスク

11「新しい父親」の発見――積極的な父性のアンビバレンス
ミヒャエル・モイザー
1 父親への新たな関心
2 父性言説と現実の父性
3 積極的な父性――仕事と家庭の対立構造
4 闘争の場としての家庭?

? 住まいからみる新しい生き方
12 若年層のライフコースと住宅政策
平山 洋介
1 住宅政策と若者
2 社会維持のサイクル
3 若者のライフコース変化
4 若者の居住立地と都市空間
5 住宅政策の課題

13 高齢女性の住まい方とライフコース――なぜ共生型・参加型居住を選択するのか
マーレン・ゴツィック
  はじめに
1 高齢者の住まい方の選択
2 共生型居住という新しい住まい方
3 共生型住宅に住む高齢女性のライフストーリー――オルタナティブな住まい方の模索
4 居住キャリア(経歴)の脱標準化の背景
  おわりに――自立と不安のはざまで

14 女性の居住・生活形態の変遷――ドイツにおける人口動態と世帯動向の分析
ルート・ベッカー
 はじめに
1 西ドイツ女性の生活形態――戦後の混乱
2 結婚と(完全な)家族の優先
3 単身女性の居住形態――一九五〇?六〇年代
4 新たな居住形態へ――一九七〇年代以降
5 東ドイツの状況
6 統一ドイツの生活形態――一九九〇年以降
7 ひとり暮らしを超えて――自己解放的な居住構想

? 日本社会と生きがい
15 日本における生きがいとライフコースの変化
ゴードン・マシューズ
  はじめに
1 日本における生きがい概念の変化
2 生きがいと若者――「日本における大人の社会秩序」の再生、または拒絶
3 生きがいと高齢者――「日本における大人の社会秩序」からの追放
4 生きがいと死
  結論――生きがいと日本社会の変化

編集協力 杉本栄子
装幀 鈴木敬子(pagnigh-magnigh)

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