新しい文化心理学の構築

〈心と社会〉の中の文化

新しい文化心理学の構築
著者 J. ヴァルシナー
サトウ タツヤ 監訳
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 発達・教育
出版年月日 2013/01/15
ISBN 9784788513259
判型・ページ数 A5・560ページ
定価 本体6,300円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

心理現象が個別的であるからこそ心理科学は一般的知識へと到達しうる-人間が作り出しながら人間を方向づける文化と,文化を生きることで文化を変容していく人間とのダイナミックな関係性をとらえる新しい文化心理学。
新しい文化心理学の構築─目次


日本語版への序
監訳者まえがきii
まえがき     vii

第1章 文化へのアプローチ ―― 文化心理学の記号的基礎
文化における価値
社会人類学、民族心理学、文化心理学
文化の転移という問い
文化の記号論的基礎 ―― チャールズ・S・パースが遺したもの
記号生成と変換のプロセス
主観的未来を制御する ―― 促進的記号
個人の自律の文化的媒介 ―― 個人的文化
対立するものの統合と、意味の持つ方向性という性質
記号的制御階層全体にわたる制約のダイナミクス
まとめ ―― 記号的制御システムとしての文化

第2章 社会とコミュニティ ―― 社会的網目の相互依存性
社会 ―― 機能的抽象と記号的媒介
一般的含意 ―― システムのダイナミックな機能のモデル
社会に「属する」こと ―― 不可能な課題における現実的努力
社会的構造と分化
コミュニケーションプロセス ―― 社会とコミュニティにおける
一般化された意味フィールド ―― 「社会」の集合的形成
まとめ ―― 社会的にガイドされた主体性

第3章 対立を作り出す ―― 対話的自己と、意味形成における二重性
境界域 ―― 空間と非可逆的な時間の中に創られるもの
「他者」を見る ―― そのさまざまなあり方
実践的な区別の先にあるもの
    ―― 分割できない全体の中の二重性
社会科学における二重性 ―― 対話モデル
意味は対立から発生する
相互生成的対立の記号フィールド理論
まとめ ―― 自己の記号フィールドにおける対立

第4章 最小のコミュニティとその組織 ―― 血縁集団、家族、結婚形態
社会的アイデンティティ環境の準安定性
家族の類型を特定する努力
取り決められた枠組みとしての結婚
関係形態の変容としての結婚
結婚形態
まとめ ―― 行為における最小コミュニティ

第5章 文化の全体は移動のただなかにある ―― 記号的宇宙の中の境界域の維持と横断
意味と移動
巡礼の文化心理学
構築leftrightarrow 破壊の弁証法
境界域を横断する ―― 個人的文化内で、個人的文化間で
境界域の社会的調整 ―― 検閲
エルンスト・ベーシュの象徴行為理論
基本的な二重性 ―― 神話と対抗神話
神話ストーリーにおける対話プロセス
まとめ ―― 編みあわされたドラマ

第6章 文化的プロセスとしての思考
人間の推論における三つの論理プロセス
演繹的推論を通した社会的統制
一般化と非決定性
アブダクションによる推論の統合
未定性に打ち克つ ―― 論理としての確率
心理学研究における確率概念の混合
推論の戦略的な使用
まとめ ―― 革新のプロセスとしてのアブダクション

第7章 行為における記号フィールド ―― 情緒による内化/外化プロセスのガイダンス
人の発達 ―― 微視発生、中間発生、個体発生
感情領域における記号論
境界域の横断における情緒
情緒フィールド構築の文化的―歴史的な促進
超一般化された感情フィールドの促進子としての儀式
情緒フィールドのダイナミクス ―― 個人的文化と集合的文化の協応
内化と外化
内化/外化と心理的距離化
内化/外化プロセスの構造
まとめ ―― 多レベルの情緒的自己調整の機能

第8章 文化心理学のための方法論 ―― 包括体系的、質的、個性記述的
不可能な公理への依存
文化心理学の方法論的対象
知識構築プロセスとしての方法論
文化的に方向づけられた心理学的現象を見る
包括体系的な因果関係
文化心理学の領域における実験とは何か?
特異性に表現される一般性
まとめ ―― 文化心理学における包括体系的な方法論

結 論 〈心と社会〉の中の文化

監訳者あとがき
文献       (13)
事項索引     (3)
人名索引     (1)
  装幀=虎尾 隆

ご注文

6,300円+税

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加

同じジャンルの商品

おすすめ書籍

お知らせ

一覧