日本語教育と戦争

「国際文化事業」の理想と変容

日本語教育と戦争
著者 河路 由佳
ジャンル 哲学・思想 > 言語
出版年月日 2011/11/25
ISBN 9784788512627
判型・ページ数 4-6・386ページ
定価 本体4,300円+税
在庫 在庫あり

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これまであまりふれられることのなかった「国際文化事業としての日本語教育」。その歴史を,国際文化振興会,国際学友会の活動を中心に,一次資料とインタビューなどでたどり,その理想が総力戦体制下でいかに変容し,いかに戦後に生き延びたかを明らかにする。
戦争と日本語教育――目次
序章 「国際文化事業」以前の日本語教育

第一章 「国際文化事業」の幕開け―国際文化振興会と国際学友会の創立
1 幕末から一九三〇年代にいたる日本の「国際文化交流」
2 一九三〇年代の国定教科書に見る国際交流観
3 「国際文化事業」としての日本語普及論
三枝茂智の「民族的対外文化事業」における言語普及論
柳澤健の「国際文化事業」構想における日本語普及論
4 一九三〇年代にいたる日本語学習の需要と日本語教育
5 国際文化振興会の草創期における事業内容と「日本語普及」
出版助成と海外への資料提供
対外文化事業としての日本語学習支援
6 国際学友会の草創期における事業内容と日本語教育
国際学友会に期待された「国際教育」
草創期の国際学友会における英語・日本語

第二章 国際文化振興会における日本語普及事業の展開
1 「国際文化事業」としての日本語普及へ
日本語普及事業の前夜
「日本語海外普及に関する協議会」
2 積極的な日本語普及事業への着手
外務省文化事業部『世界に伸び行く日本語』
国際文化振興会の方針転換
「日本語普及編纂事業」七カ年計画
3 紀元二千六百年記念国際懸賞論文
4 同時期のアジア地域を対象とする日本語普及政策
興亜院による「日本語普及方策要領」
文部省による「国語対策協議会」
日本語教育振興会の設立
5 「国際文化事業」から「対南方文化工作」へ
6 戦争中の「日本語の世界化」論
石黒修の『日本語の世界化』
松宮一也の『日本語進出の現段階』『日本語の世界的進出』
釘本久春の『戦争と日本語』
7 戦争中の日本語普及事業によって生まれた出版物
国際文化振興会「日本語普及編纂事業」七カ年計画の結果
日本語教育振興会によって出版された日本語教材

第三章 国際学友会における日本語教育事業の展開
1 岡本千万太郎の日本語教育観
「国際教育」における日本語観
日本語予備教育における「日本文化」観
日本語による「国際教育」観
2 国際学友会の日本語教育課程の本格化
日本語教育課程の整備
日本語教室から「日本語教育部」へ
「日本語教育部」時代の学習者と日本語教育
日本語教科書の編纂・出版
校舎の移転・設備の充実
国際学友会日本語学校の開校
3 開校当初の国際学友会日本語学校
4 「南方文化工作」と国際学友会
南方特別留学生の受け入れ
大東亜省による指導の強化
教員体制の強化、職員の異動
国際学友会の目的・名称変更案
5 国際学友会日本語学校のカリキュラム・教授法
学習者とクラス編成
時間割とカリキュラム
教材とその教授法
指導の強化
6 戦争末期の国際学友会日本語学校

第四章 日本語普及(教育)事業と敗戦
1 国際文化振興会
日本語普及事業からの撤退
国際文化振興会の日本語普及事業が戦後に遺したもの
2 国際学友会
国際学友会日本語学校の閉校
国際学友会日本語学校が戦後に遺したもの
3 日本語教育振興会
戦後直後の教員養成
戦後直後の調査研究
4 なぜ、日本語教育振興会だけが新規事業にとりくんだのか
長沼直兄の活躍
日語文化協会の終焉

終章 新しい理念の構築に向けて

あとがき
参考文献一覧
関連年表
索引

   装幀―難波園子

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