ナレッジマネジメントの思想
知識生産と社会的認識論

知識を計量化し管理することにどのような意味があるのか。ブームの知識管理(KM)的思考では,マクドナルドは「賢い組織」,大学は「愚かな組織」とされるが,はたして? 知識管理的思考を問い直し,自律的な知識生産機関としての大学の再生を展望する。
◆ナレッジマネジメントの思想 目次
序文
第1章 ナレッジマネジメントは知識のために何をしてきたのか
1 知識をめぐるから騒ぎ―なぜ、いま?
1.1 ナレッジマネジメントの前提条件としての歴史的近視眼
1.2 「ナレッジマネジメント」という名称にどんな意味があるのか
2 知識と情報―偉大なるおとり商法
3 科学者―ナレッジマネジメントの最大の敵
4 理論的・実践的知識へのナレッジマネジメントの挑戦
4.1 ナレッジマネジメントと理論的知識の目的―公共財のディコンストラクション
4.2 ナレッジマネジメントと実践的知識の目的―大学の崩壊
5 基本に戻る―レント、賃金、利潤における知識の価値の再発見
6 知識帝国の逆襲―メタ公共財と企業への学術的価値の注入
7 ナレッジマネジメントの範囲を仕切る―新しい知識生産の加速を恐れるのは誰か
第2章 知識を問題にする―哲学、経済学、法律
1 ナレッジマネジメントに対する基本的な哲学上の障害
1.1 知識の哲学的問題と哲学の諸問題
2 知識市場の創造―知的為替レートという考え方
2.1 科学者が拒めない申し出―なぜ科学者は共有するのか
2.2 アイディア市場の実現―貨幣のように知識は所有されるか
3 知識の妥当性と経済的価値の結合体としての知的財産
3.1 分割不可能なものを分割するという挑戦
3.2 発見されたものを発明することによる挑戦
4 幕間劇 知識市場は飽和するのか衰退するのか―われわれは知りすぎているのか知らなすぎるのか
5 概括 専門的な訓練と職業から知的財産法へ
6 知的財産の法的認識論
6.1 知識の所有根拠を研究するための二つの戦略
7 エピローグ 知識を持つ人からの知識の疎外と専門的知識の商業化
第3章 知識革命の鍵としての情報技術
1 はじめに 認識論から情報技術へ
2 脱工業化の夢―情報技術の知性化
3 ヒューマン―コンピュータ・インターフェースの社会的転換―歴史的概観
4 専門知識からエキスパート・システムへ
4.1 専門知識の社会史の概略
4.2 ナレッジエンジニアは専門知識の社会的特徴からどのように利益を得るのか
4.3 知識システムの社会学に対するエキスパート・システムの教訓
4.4 エキスパート・システムと専門知識の偽りの民主化
4.5 要約 知的財産の究極的対象としての専門知識
5 科学者でさえサイバースペースで無料のものを受け取らない理由
5.1 二つの技術哲学の話―サイバープラトン主義対サイバー唯物主義
5.2 サイバースケープゴートとしての出版業界
5.3 摩擦のない思考メディアに抵抗する
5.4 なぜペーパーレス化が万能薬ではないのか
5.5 サイバースペースはピアレビューに「値する」のか
5.6 結論 サイバープラトン主義の動機を浄化する
6 補遺 究極的な情報技術としての資本化された教育
第4章 市民的共和主義のナレッジマネジメント理論
1 市民的共和主義の歴史的・哲学的基礎
2 顕著な誤りの例―マイケル・ポラニーの「科学の共和国」
3 共和主義者のナレッジマネジメントのための手段を求めて
3.1 知識労働者組合
3.2 コンセンサス会議
3.3 大学―究極の共和主義的制度
4 大学という共和主義組織に対する歴史的脅威
5 大学という共和主義組織に対する研究契約労働者の挑戦
6 結論 将来のアカデミックなCEOのための市民的共和主義のアジェンダ
補 論 ピアレビュー・プロセスのなかで生きているものと死んだもの
1 はじめに ピアレビューの範囲
2 ピアを定義する
3 ピアを募集する
4 ピア判定を体系的に記録する
5 ピア判定を倫理的に監視する
6 「拡張されたピアレビュー」―普遍的な解決方法?
7 ピアレビューに未来はあるか―研究と政策への含意
7.1 方法論に関する注
結 論 ナレッジマネジメントの混成的なルートメタファー
参考文献
訳者あとがき
索引
装幀―虎尾 隆
序文
第1章 ナレッジマネジメントは知識のために何をしてきたのか
1 知識をめぐるから騒ぎ―なぜ、いま?
1.1 ナレッジマネジメントの前提条件としての歴史的近視眼
1.2 「ナレッジマネジメント」という名称にどんな意味があるのか
2 知識と情報―偉大なるおとり商法
3 科学者―ナレッジマネジメントの最大の敵
4 理論的・実践的知識へのナレッジマネジメントの挑戦
4.1 ナレッジマネジメントと理論的知識の目的―公共財のディコンストラクション
4.2 ナレッジマネジメントと実践的知識の目的―大学の崩壊
5 基本に戻る―レント、賃金、利潤における知識の価値の再発見
6 知識帝国の逆襲―メタ公共財と企業への学術的価値の注入
7 ナレッジマネジメントの範囲を仕切る―新しい知識生産の加速を恐れるのは誰か
第2章 知識を問題にする―哲学、経済学、法律
1 ナレッジマネジメントに対する基本的な哲学上の障害
1.1 知識の哲学的問題と哲学の諸問題
2 知識市場の創造―知的為替レートという考え方
2.1 科学者が拒めない申し出―なぜ科学者は共有するのか
2.2 アイディア市場の実現―貨幣のように知識は所有されるか
3 知識の妥当性と経済的価値の結合体としての知的財産
3.1 分割不可能なものを分割するという挑戦
3.2 発見されたものを発明することによる挑戦
4 幕間劇 知識市場は飽和するのか衰退するのか―われわれは知りすぎているのか知らなすぎるのか
5 概括 専門的な訓練と職業から知的財産法へ
6 知的財産の法的認識論
6.1 知識の所有根拠を研究するための二つの戦略
7 エピローグ 知識を持つ人からの知識の疎外と専門的知識の商業化
第3章 知識革命の鍵としての情報技術
1 はじめに 認識論から情報技術へ
2 脱工業化の夢―情報技術の知性化
3 ヒューマン―コンピュータ・インターフェースの社会的転換―歴史的概観
4 専門知識からエキスパート・システムへ
4.1 専門知識の社会史の概略
4.2 ナレッジエンジニアは専門知識の社会的特徴からどのように利益を得るのか
4.3 知識システムの社会学に対するエキスパート・システムの教訓
4.4 エキスパート・システムと専門知識の偽りの民主化
4.5 要約 知的財産の究極的対象としての専門知識
5 科学者でさえサイバースペースで無料のものを受け取らない理由
5.1 二つの技術哲学の話―サイバープラトン主義対サイバー唯物主義
5.2 サイバースケープゴートとしての出版業界
5.3 摩擦のない思考メディアに抵抗する
5.4 なぜペーパーレス化が万能薬ではないのか
5.5 サイバースペースはピアレビューに「値する」のか
5.6 結論 サイバープラトン主義の動機を浄化する
6 補遺 究極的な情報技術としての資本化された教育
第4章 市民的共和主義のナレッジマネジメント理論
1 市民的共和主義の歴史的・哲学的基礎
2 顕著な誤りの例―マイケル・ポラニーの「科学の共和国」
3 共和主義者のナレッジマネジメントのための手段を求めて
3.1 知識労働者組合
3.2 コンセンサス会議
3.3 大学―究極の共和主義的制度
4 大学という共和主義組織に対する歴史的脅威
5 大学という共和主義組織に対する研究契約労働者の挑戦
6 結論 将来のアカデミックなCEOのための市民的共和主義のアジェンダ
補 論 ピアレビュー・プロセスのなかで生きているものと死んだもの
1 はじめに ピアレビューの範囲
2 ピアを定義する
3 ピアを募集する
4 ピア判定を体系的に記録する
5 ピア判定を倫理的に監視する
6 「拡張されたピアレビュー」―普遍的な解決方法?
7 ピアレビューに未来はあるか―研究と政策への含意
7.1 方法論に関する注
結 論 ナレッジマネジメントの混成的なルートメタファー
参考文献
訳者あとがき
索引
装幀―虎尾 隆