質的心理学の展望

質的心理学の展望
著者 サトウ タツヤ
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 概論・研究法
出版年月日 2013/05/30
ISBN 9784788513433
判型・ページ数 A5・288ページ
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり

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質的心理学をどう学ぶか? 実践するうえでの基本的問題とは? 研究誌『質的心理学研究』の立ち上げメンバーとして,一貫して社会とつながる学問を探究してきた著者ならではの,既成概念を打ち破る思索と実践にもとづいた質的研究への誘い。
質的心理学の展望─目次

はじめに
?部 質的研究の意義とプロセス
1章 フィールド研究のプロセス
1 フィールドワークの技法がないと……
2 フィールドワークのプロセス
3 Kさんの実際のプロセス
4 まとめ

2章 研究デザインと倫理的配慮
1 研究デザイン
2 研究プロセス
3 研究評価と省察リフレキシヴィティ
4 質的研究における対象抽出
5 研究倫理
6 研究倫理のためのシステム
7 まとめ

3章 心理学からみた質的研究
1 心理学の歴史から
2 質的研究とは何か
3 まとめ

?部 手法としてのフィールドワークとエスノグラフィ
4章 フィールドワーク・クラスのエスノグラフィ
1 フィールドの概要およびフィールドワークのスタイル
2 授業担当者のティーチング・スタイル
3 ゼミとその参加者―社会心理学的考察
4 エスノグラフィ作成過程を振り返って

5章 心理学で何ができるか―違和感分析への招待
1 心理学を専攻しているアナタの気持ち
2 心理学という学問の特徴
3 subject とは何か
4 違和感分析
5 感受主体という考え方
6 違和感分析の実例
7 まとめ

6章 現場に居ながらにして現場に入り込む方法としての違和感分析
1 資格と現場と実践と研究と
2 エスノメソドロジーに学ぶ
3 憤慨やとまどいを違和感分析へ
4 現場的定義と感受概念
5 まとめ

7章 文化心理学からみた現場を伝えるいくつかの工夫―セラピーの現場を考える
1 実践活動と研究の二項対立を超えて
2 対象選択の問題
3 歴史的構造化サンプリングと複線径路等至性モデル
4 まとめに代えて―事例の時間的変遷を描く方法論

8章 概念や尺度に惑わされない性格研究を
1 性格心理学の停滞
2 ミシェルの素朴実在論批判
3 状況主義がもたらしたこと、従来の性格理論が見落としていたこと
4 混乱の原因を解くのは人称的性格である
5 性格という概念
6 性格心理学徒こそ対人関係に興味をもとう。そして現場フィールドに出よう
7 性格心理学の新展開

?部 時間を重視する質的研究をめざして
9章 複線径路等至性モデル―人生径路の多様性を描く質的心理学の新しい方法論をめざして
1 事例研究とモデル生成
2 新しいモデルとしての複線径路等至性モデル
3 文化心理学とは何か―比較文化心理学との「比較」を通して
4 複線径路等至性モデルの典型と主要概念
5 複線径路等至性モデルによる事例記述のあり方
6 複線径路等至性モデルの成り立ち
7 まとめに代えて―水平的人間関係の構築へ向けて

10章 「社会と場所の経験」に向き合うためのサンプリング論再考―あるいはメゾジェネシスレベルの発生を描くということ
1 ランダムサンプリングは必要か?
2 変数を観測するということはどういうことか
3 変数と変数の関係を見る―あるいは因果モデルの適用のためのサンプリング法
4 大たい数すうの法則の呪じゅ縛ばくは質的アプローチにも有効か
5 経験ベーストサンプリングに向けて
6 歴史的に構造化されたサンプリング(HSS)
7 TEM―多様性の記述のための方法
8 発生のメカニズムを記述する
9 まとめ

付章 質的心理学の歴史
1 質的心理学小史
2 日本における質的心理学
3 質的研究の勢い

おわりに
文  献
人名索引
事項索引
初出一覧

  装幀=虎尾 隆

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