若年性認知症の診断を受けた元学者が,自らの過去,現在を内側と外側から観察し,未来についての決断に至るまでの手記。自己とは,人間とは,生きるとは何か。希有な認知症の自己観察報告であるだけでなく,人の生への洞察を深めることのできる本。
記憶がなくなるその時まで――目次
著者の手記
1章 自分が誰だかわからなくなる前に自分を語る
2章 量子的パフアダーと記憶の断片
3章 消えていく自己の文法
4章 壊れてしまった脳
5章 狂気と愛 ?
6章 狂気と愛 ?
7章 死に向かう変身
8章 あえて名前を言わない出口
謝辞
注
訳者あとがき
装幀=新曜社デザイン室